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ペット可賃貸の退去費用、高額請求の妥当性とは?フローリング全面張り替えの落とし穴

#退去費用
 

退去費用の見積もりが予想以上に高額で、本当に妥当なのか不安に思っていらっしゃるのですね。特にペット可物件の場合、原状回復の範囲が曖昧になりがちで、トラブルに発展することも少なくありません。今回は、小型犬と3年弱暮らした1Kのペット可賃貸物件の退去費用として、フローリングの全面張り替えや壁の張り替え、ペットの匂いクリーニング代などを含む40万円(敷金2ヶ月分14万円を差し引いて26万円の請求)が妥当かどうか、徹底的に検証していきましょう。

まずは結論です。
請求された退去費用が妥当かどうかは、様々な要素を考慮して判断する必要があります。請求内容の詳細、契約書の内容、フローリングの傷の状態などを詳しく確認し、専門家への相談も視野に入れながら、冷静に対処していくことが大切です。

賃貸の不動産を退去する際に退去費用が高額だったので妥当かどうかお伺いしたいです。住んでいたのは3年弱でペット可の物件で1K23平米ほど。小型犬を飼っておりました。敷金は2ヶ月分で14万円預けてました。退去費用の見積もりを出してもらった際にフローリングの傷がひどいので全面張り替え。壁も張り替え、ペットの匂いのクリーニング等々で40万円請求。敷金を差し引いて26万円の請求でした。立ち会いをした際の業者さんはこわもての男性で安く抑えてこのくらいだと言われました。名刺など貰えなかったのですが立ち会い時の業者さんは特に名刺を渡す義務などは無いのでしょうか。たしかにフローリングに所々傷はありますが予想以上に高額だったため皆様の意見を聞きたいです。

ケーススタディ:愛犬との暮らし、退去時の落とし穴

今回のケースは、まさにペット可賃貸における退去費用のトラブルの典型例と言えるでしょう。フローリングの傷、壁の張り替え、ペットの匂いクリーニングといった項目は、ペットと暮らす上で発生しうる問題ですが、その費用負担については、貸主と借主の間で認識のずれが生じやすい部分です。

1. 原状回復義務とは?

まず、大前提として知っておくべきなのが「原状回復義務」です。これは、賃貸物件を退去する際、借りた時の状態に戻す義務のことですが、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、通常の使用による損耗や経年劣化については、借主の負担とはなりません。

しかし、ペットによる傷や匂いは、通常の使用による損耗とは見なされない可能性が高く、借主の負担となるケースが多いのが現状です。

2. フローリングの張り替え費用は誰が負担する?

今回のケースで最も高額な費用となっているのが、フローリングの全面張り替え費用です。フローリングの傷が、小型犬によるもので、通常の使用を超えるものと判断された場合、借主が費用を負担しなければならない可能性はあります。

ただし、全面張り替えが必要かどうかは、傷の程度や範囲によって判断が異なります。例えば、一部分の傷であれば、その部分のみの補修で済む場合もあります。また、フローリングの耐用年数も考慮されるべきです。一般的に、フローリングの耐用年数は10~15年程度と言われていますので、3年弱の居住期間であれば、経年劣化による損耗も考慮されるべきでしょう。

3. 壁の張り替え、ペットの匂いクリーニングは?

壁の張り替えについても、フローリングと同様に、ペットによる汚れや傷が原因であれば、借主の負担となる可能性があります。しかし、壁紙の耐用年数(5~6年程度)を考慮すると、全面張り替えではなく、部分的な補修で済む場合もあります。

ペットの匂いクリーニングについても、契約書に特約として記載されている場合や、通常の使用を超える匂いが染み付いている場合に限り、借主の負担となることがあります。

4. 不動産業者の対応は適切だったか?

立ち会いの際に、業者から名刺をもらえなかったとのことですが、これは少し不自然かもしれません。通常、不動産業者は、身分を明らかにするために名刺を渡すのが一般的です。また、「安く抑えてこのくらいだ」という説明も、根拠が不明確で、納得できるものではありません。

高額請求への具体的な対処法

では、今回のケースのように、高額な退去費用を請求された場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?具体的なステップをご紹介します。

ステップ1:契約書と見積書を徹底的に確認する

まずは、賃貸契約書と退去費用の見積書を徹底的に確認しましょう。
契約書に、ペットに関する特約や、原状回復に関する条項が記載されているか
見積書に、費用の内訳が詳細に記載されているか
見積書の金額が、市場価格と比べて妥当か

これらの点を確認し、不明な点や納得できない点があれば、不動産業者に説明を求めることが重要です。

ステップ2:傷や汚れの状況を記録する

フローリングの傷、壁の汚れなど、退去時の状況を写真や動画で記録しておきましょう。これは、後々、不動産業者と交渉する際の証拠となります。特に、傷の程度や範囲が分かるように、様々な角度から撮影しておくことをおすすめします。

ステップ3:複数の業者に見積もりを依頼する

不動産業者から提示された見積もりが妥当かどうかを判断するために、複数の業者に見積もりを依頼してみましょう。複数の見積もりを比較することで、市場価格との差や、費用の内訳の妥当性を判断することができます。

ステップ4:内容証明郵便を送付する

不動産業者との交渉が難航する場合や、請求金額に納得できない場合は、内容証明郵便を送付することも有効な手段です。内容証明郵便とは、いつ、誰が、誰に、どのような内容の手紙を送ったかを証明するもので、法的な証拠となります。

内容証明郵便には、以下の内容を記載します。
物件の所在地、契約者の氏名
退去日
請求金額に対する異議
具体的な理由(例:フローリングの傷は通常の使用による損耗である、など)
減額または再見積もりを求める旨

ステップ5:専門機関に相談する

内容証明郵便を送付しても解決しない場合は、専門機関に相談することも検討しましょう。
国民生活センター: 消費者問題に関する相談窓口です。
法テラス: 法律に関する相談窓口です。弁護士を紹介してもらうこともできます。
都道府県の住宅相談窓口: 住宅に関する様々な相談を受け付けています。

これらの専門機関に相談することで、適切なアドバイスやサポートを受けることができます。

成功事例:交渉で費用を大幅に減額

実際に、交渉によって退去費用を大幅に減額できた事例も存在します。

Aさんのケース:
Aさんは、ペット可の賃貸マンションに5年間居住し、退去時に45万円の請求を受けました。しかし、契約書を確認したところ、原状回復に関する条項が曖昧であったため、不動産業者に交渉。フローリングの傷は通常の使用による損耗であること、壁紙の耐用年数を過ぎていることなどを主張し、最終的に15万円まで減額することに成功しました。

Bさんのケース:
Bさんは、ペット可のアパートに2年間居住し、退去時に30万円の請求を受けました。Bさんは、複数の業者に見積もりを依頼し、最も安い業者に補修を依頼することで、請求金額を大幅に抑えることができました。

これらの事例から分かるように、諦めずに交渉することで、退去費用を減額できる可能性は十分にあります。

専門家からのアドバイス

ペット可賃貸の退去費用トラブルに詳しい、不動産鑑定士のCさんは、次のようにアドバイスします。

「ペット可物件の場合、契約時に原状回復に関する特約が設けられていることが多いので、契約内容をよく確認することが重要です。また、退去時には、不動産業者だけでなく、借主自身も立ち会い、傷や汚れの状況を一緒に確認することをおすすめします。もし、請求金額に納得できない場合は、専門機関に相談するなど、泣き寝入りしないようにしましょう。」

まとめ

ペット可賃貸の退去費用は、高額になることもありますが、請求された金額が必ずしも妥当とは限りません。契約書の内容、傷や汚れの状況、市場価格などを総合的に判断し、必要に応じて専門家の意見も参考にしながら、冷静に対処していくことが大切です。

今回の記事が、高額な退去費用に悩む皆様にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

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