長年住んでいる賃貸物件の老朽化、本当に困りますよね。特に、雨漏り、湿気、シロアリといった問題は、健康にも影響を及ぼしかねません。しかも、修繕を依頼しても対応してもらえないとなると、どうすれば良いのか途方に暮れてしまうのも無理はありません。
この記事では、このような状況に陥った場合に、どのように対処すれば良いのか、具体的なステップと注意点をお伝えします。
結論から言うと、劣悪な住環境を放置するのは絶対にNGです。まずは、専門家(弁護士や不動産鑑定士など)に相談し、状況を詳しく説明した上で、法的根拠に基づいたアドバイスをもらうことをおすすめします。
今回のご相談者Kさんのご両親は、築年数の古い一戸建てに20年間お住まいです。その間、雨漏り、湿気、シロアリといった問題が発生し、大家さんに修繕を依頼してもなかなか対応してもらえませんでした。
ご両親は、「20年も住んでいるから、退去時に多額の修繕費用を請求されるのではないか」と心配され、我慢して住み続けているとのことでした。
しかし、このような状況は、決して珍しいことではありません。実際に、同様のケースで、大家さんに対して修繕義務の履行を求めたり、家賃の減額を請求したり、損害賠償を請求したりすることができた事例は数多く存在します。
劣悪な賃貸物件に住み続けると、様々なリスクが生じます。
健康被害: カビや湿気は、アレルギーや喘息などの原因となることがあります。また、シロアリは建物を蝕むだけでなく、人体にも悪影響を及ぼす可能性があります。
精神的なストレス: 雨漏りの音が気になったり、カビの臭いがしたりすると、精神的に大きなストレスを感じることになります。
経済的な損失: 雨漏りによって家財が濡れてしまったり、シロアリによって家が傷んでしまったりすると、経済的な損失が発生する可能性があります。
民法には、大家さん(賃貸人)は、賃貸物件を「使用収益に必要な修繕」をする義務があると定められています。
具体的には、以下のような修繕義務が考えられます。
建物の維持: 雨漏り、屋根の破損、外壁のひび割れなど、建物の基本的な機能を維持するための修繕
設備の維持: 給湯器、エアコン、トイレなど、生活に必要な設備を維持するための修繕
安全性の確保: シロアリ駆除、耐震補強など、入居者の安全を確保するための修繕
ただし、入居者の故意や過失によって生じた損害については、入居者が修繕費用を負担しなければならない場合があります。
Kさんのご両親の場合、以下の3つの選択肢が考えられます。
1. 大家さんとの交渉: まずは、大家さんと話し合い、修繕を求めることが大切です。その際、具体的にどのような箇所がどのように खराबしているのか、写真や動画などを提示しながら説明すると、より効果的です。
2. 内容証明郵便の送付: 口頭での交渉がうまくいかない場合は、内容証明郵便で修繕を求める通知を送付することも有効です。内容証明郵便は、いつ、誰が、誰に、どのような内容の通知を送ったのかを証明するものです。
3. 専門家への相談: 大家さんとの交渉が難航する場合は、弁護士や不動産鑑定士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家は、法的根拠に基づいたアドバイスや、大家さんとの交渉の代行などを行ってくれます。
大家さんと交渉する際には、以下の点に注意しましょう。
冷静かつ丁寧に: 感情的にならず、冷静かつ丁寧に話すことが大切です。
具体的な証拠を提示: 口頭で説明するだけでなく、写真や動画などの具体的な証拠を提示することで、説得力が増します。
修繕の必要性を明確に伝える: なぜ修繕が必要なのか、放置するとどのような問題が生じるのかを明確に伝えましょう。
希望する修繕内容を具体的に伝える: どのような修繕を希望するのか、具体的に伝えましょう。
期限を設ける: いつまでに修繕してほしいのか、期限を設けることで、大家さんの対応を促すことができます。
内容証明郵便には、以下の内容を記載します。
差出人の住所・氏名
宛先の住所・氏名
通知の内容:
賃貸物件の所在地
契約日
修繕を求める箇所
修繕が必要な理由
希望する修繕内容
修繕期限
修繕に応じない場合の措置(契約解除、損害賠償請求など)
作成日
内容証明郵便は、同じ内容のものを3通作成し、郵便局に持参します。1通は郵便局が保管し、1通は大家さんに送付され、1通は差出人が保管します。
弁護士や不動産鑑定士などの専門家に相談する際には、以下の点に注意しましょう。
複数の専門家に相談する: 複数の専門家に相談し、それぞれの意見を聞くことで、より客観的な判断をすることができます。
費用を確認する: 相談料や依頼料など、費用について事前に確認しておきましょう。
実績を確認する: 専門家の実績を確認し、信頼できる専門家を選びましょう。
どうしても大家さんが修繕に応じてくれない場合は、引っ越しを検討することも一つの選択肢です。
しかし、引っ越しには費用がかかりますし、新しい住まいを探す手間もかかります。そのため、引っ越しをするかどうかは、慎重に検討する必要があります。
引っ越しをする場合は、以下の点に注意しましょう。
引っ越し費用を抑える: 引っ越し業者に見積もりを依頼し、複数の業者を比較検討することで、引っ越し費用を抑えることができます。
新しい住まいを慎重に選ぶ: 新しい住まいを選ぶ際には、日当たり、風通し、周辺環境などを十分に確認しましょう。
ペット可の物件を探す: 犬と暮らす場合は、ペット可の物件を探す必要があります。
犬と快適に暮らすためには、以下のポイントに注意して賃貸物件を選びましょう。
ペット可物件であること: 当然ですが、ペット可物件であることを必ず確認しましょう。
犬の大きさに合った広さ: 犬が自由に動き回れるだけの広さがあるか確認しましょう。
床の素材: 滑りにくい素材の床を選ぶと、犬の足腰への負担を軽減できます。
防音性: 犬の鳴き声が近隣住民に迷惑をかけないよう、防音性の高い物件を選びましょう。
周辺環境: 散歩コースやドッグランなど、犬が遊べる場所が近くにあると便利です。
今回は、劣悪な賃貸物件に住み続けるリスクと、その対処法について解説しました。
Kさんのご両親のように、長年住んでいる賃貸物件で問題が発生した場合でも、泣き寝入りする必要はありません。まずは、大家さんと話し合い、修繕を求めることが大切です。
もし、大家さんが修繕に応じてくれない場合は、専門家に相談したり、引っ越しを検討したりすることも視野に入れましょう。
犬と快適に暮らすためには、ペット可物件であることはもちろん、犬の大きさに合った広さや、床の素材、防音性など、様々なポイントに注意して賃貸物件を選ぶことが大切です。